日本学賞の受賞者が決定しました
第12回日本学賞授賞者決定のご案内
「日本学の各分野における、選考時点での最高の業績を顕彰し、よって研究の未来に資することを目的とする」日本学賞の今年度の受賞者が、この程(一社)日本学基金理事会(理事長・中西進)で、今橋映子氏に決定しました。授賞式は11月23日(祝)午後1時、東京市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷(私学会館)で行われ、賞牌(山形鋳物青銅器)、賞状並びに副賞100万円が贈呈されます。授賞理由は以下の通りです。
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対象となる業績「近代日本の美術思想研究」
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【理事長・中西進氏コメント】
今橋映子氏は、東京大学比較文学比較文化研究室の教員として、芳賀徹・平川祐弘・川本皓嗣の次の世代として同研究室を支え、発展させてきた中心人物である。今回の受賞にあたって、特に高く評価されたのは、『近代日本の美術思想―― 美術批評家・岩村透とその時代』(白水社、2021)である。明治から大正にかけて活躍し、今日では半ば忘れられている岩村透という人物について、広範な資料調査と分析を行い、その生涯と共に、彼を取り巻く時代・文明・芸術等の有り様を明らかにした。この独創的な学問的業績に日本学賞を贈るものである。
つきましては、メディア各位におかれては広くご報道賜りたくお願い申し上げます。
今橋 映子(いまはし えいこ)氏プロフィール
1961年東京都生まれ。学習院大学卒業。東京大学大学院総合文化研究科修士・博士課程修了。同博士課程在学中パリ第四大学大学院博士課程留学、D.E.A.取得。1992年東京大学にて博士(学術)取得。筑波大学講師を経て現在、東京大学大学院教授。2024年現在、東大比較文學會会長、日本比較文学会理事。1994年サントリー学芸賞、渋沢・クローデル特別賞、2003年重森弘淹写真評論賞、2004年島田謹二記念学藝賞、日本写真協会賞(学芸賞)。
著書:
『異都憧憬 日本人のパリ』(柏書房、1993/平凡社ライブラリー、2001)
『パリ・貧困と街路の詩学―― 1930年代外国人芸術家たち』(都市出版、1998)
『〈パリ写真〉の世紀』(白水社、2003)
『展覧会カタログの愉しみ』(東京大学出版会、2003、編著)
『ブラッサイ パリの越境者』(白水社、2007)
『フォト・リテラシ――報道写真と読む倫理』(中公新書、2008)
『近代日本の美術思想――美術批評家・岩村透とその時代』上下巻(白水社、2021)
『比較文学比較文化ハンドブック』(東京大学出版会、2024、共監修・編著)など多数。
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